近年、見た目のデザインも良く、様々なフレーバーが選べるiQOSやgloなどがコンビニでも気軽に購入できるようになりました。普段からタバコに馴染みのある方やCBD商品を購入している方は、“電子タバコ”や“次世代タバコ”、“ヴェポライザー”や“ベイプ”といった単語を耳にする機会もあるのではないでしょうか?
逆にタバコに馴染みのない方は、
「ヴェポライザーとベイプは何が違うの?」
「CBDはベイプで吸うの?ベポライザーで吸うの?」
「禁煙目的で使うって聞いたことがあるけど…」
といった、曖昧なイメージを持つ方が多いかと思います。
今回はそんな「興味はあるが、いまいちどういったものか分からない…」という方に、ヴェポライザーとベイプの違いについて、その特徴やメリット・デメリットなどについて紹介します。
【目次】
ヴェポライザーとは
ベイプとは
ヴェポライザーとベイプの違い
CBDヴェポライザーとCBDベイプの違い
ヴェポライザーのメリット・デメリット
ベイプのメリット・デメリット
ヴェポライザーの使い方とは
ベイプの使い方とは
ヴェポライザーとベイプの違いとは
ヴェポライザーとは
ヴェポライザー とは、電動の巻きタバコのことを言います。
ヴェポライザーは、加熱式タバコの一種です。加熱式タバコとは、専用の道具を使用し、タバコ葉を燃焼するのではなく、加熱して生成されたニコチンやエアゾルを喫煙するタバコを指します。前述したiQOSやgloも、この加熱式タバコに含まれます。
巻きタバコをイメージしてみてください。巻きタバコは、シャグと呼ばれるタバコ葉をペーパー・ローラーなどのグッズを使用し、自分で作るタバコです。そのシャグ(タバコ葉)をVaporizer(ヴェポライザー)と呼ばれる電子タバコに入れ、電気で約200℃前後まで加熱し、蒸気となった煙を吸う喫煙器具を、一般的にヴェポライザーと呼びます。
ヴェポライザーの加熱方式
ヴェポライザーの加熱方式には、主に以下の2種類があります。
1. タバコの葉を直接加熱する「コンダクション式」
・タバコ葉を挿入するチャンバーという部分を直接加熱する方法
・蒸気が多く発生し、安価な機種が多い
2. タバコ葉を間接的に加熱する「コンベクション式」
・チャンバーに熱風を通し加熱する方法
・タバコ葉の味わいを深く感じることができ、高価な機種が多い
なお、iQOSやgloも直接タバコ葉を熱する方法によって煙を発生させるため、コンダクション方式に分類されます。
ニコチンを吸引するのがヴェポライザー
ヴェポライザーはシャグ(タバコ葉)を吸引するため、基本的にニコチンが含まれます。
しかし、通常の紙巻きタバコは、タバコを燃やす際に発生する、人の身体に吸収される有害物質であるニコチンやタールの量がヴェポライザーでは格段に少ないという理由から、より健康に配慮した喫煙具と評価されています。
また、ヴェポライザーは元々は医療用に開発された製品だと言われています。
アメリカの一部の地域やカナダでは、がん患者や末期エイズ患者の治療に医療用ハーブが処方されます。その際、火を使う喫煙による吸引では燃焼による有害物質が発生してしまうという問題がありました。ヴェポライザーは、火の代わりに電気を使用し、燃焼を伴わない方法で、その問題を解消する目的で開発されました。
現在もヴェポライザーは信頼性の高い医療器具として医療の現場で利用されています。
ベイプとは
ベイプとは、香料付きのアロマ器具のことを言います。
電子タバコのことを一般的にベイプといい、ベイプ(VAPE)とは、香料を含んだリキッド(液体)を電気熱で気化させ、様々な味や香りの蒸気を吸引して楽しむ器具です。一般的に“電子タバコ”と呼ばれるのは、このベイプに該当します。
ベイプの構造
ベイプは、以下3つのパーツで構成されています。
・電気を流すバッテリーユニットである「MOD(モッド)」部分
・タンクに注入し、貯めておいたリキッドをコイルの加熱によって蒸気にする「アトマイザー」部分
・蒸気を吸う際に口にする「ドリップチップ」部分
ドリップチップから発生する煙のように見えるのは水蒸気であり、ニコチンやタールは含まれていません。
この水蒸気は、音楽コンサートなどで焚かれるスモークと同様のもので、香料が加えられた一酸化二水素(水)や、塩化ナトリウム(塩)、食品添加物などで、大量に接種しなければ人体に悪影響を及ぼすものではありません。
アロマや香料を吸引するのがベイプ
つまり、ベイプとは大雑把に言ってしまうと、タバコというより「香料付きのアロマ器具」に近い製品と呼べます。近年では、飴やガムなどのお菓子や、間食の代わりとしてベイプを嗜む方もいます。
注意すべき点としては、海外ではニコチン入りのリキッドも販売されている点です。日本で販売されているリキッドには、ニコチンやタールは含まれていません。
このため、それらを吸引するベイプにはタバコ税はかからず、使用者の年齢制限もありません。そのため、20歳未満の使用も法的に問題はありません。ただし、実際は殆どの電子タバコ販売店では、ベイプの使用年齢を20歳以上とする自主規制を行っているのが現状です。
ニコチン入りのリキッドは、日本での販売は禁止されているとはいえ、海外旅行時での購入や、インターネット販売などで海外から取り寄せてしまうと、手に入ってしまうのが実情です。また、有名なメーカーの偽物も多く出回っているため、粗悪品の使用で健康被害を受けてしまう可能性もあります。
海外からの購入の際は十分に気を付けましょう。
ヴェポライザーとベイプの違い
ヴェポライザーとベイプでは、以下のような違いがあります。
構造(蒸気を出す仕組み)
ヴェポライザーはシャグを直接加熱し、発生した蒸気を吸引するのに対し、ベイプはシャグの代わりにフレーバー付きのリキッド(液体)を加熱、霧化した蒸気を吸引するという、構造上の違いがあります。
ニコチンなどの有害物質の有無
ヴェポライザーはタバコ葉を使用するためニコチンやタールなどの有害物質を含むが、ベイプは日本ではニコチンが入ったリキッドの販売は禁止されており、そもそもタバコ葉を使用しないので、ニコチンなどの有害物質を含まないという、ニコチンの有無の違いがあります。
身体への影響
ヴェポライザーはニコチンを含むので、喫煙者本人、及び周囲の人にも健康被害をもたらす可能性があるのに対し、ベイプは使用されるリキッドが安全性の高い食品添加物などであるため、大量に接種しない限り健康被害のリスクはないという、健康被害への違いがあります。
CBDヴェポライザーとCBDベイプの違い
一方で、CBDを蒸気摂取する際に使われるCBDヴェポライザーとCBDヴェイプの違いは、通常のヴェポライザー・ベイプの言葉の定義とは異なります。
CBDヴェポライザーは、一般的に、CBDワックスやクランブルなどの固体のCBDを吸引するために使われます。そのため、一般的に言われるヴェポライザーとは異なり、ニコチンを吸引するものではありません。
他方、CBDベイプとは、一般的に、CBD成分が入ったリキッド(液体)を吸引するときに使われるものです。CBDヴェポライザーとは違い、一般的にCBDベイプではワックスやクランブルを吸引することはありません。
CBDヴェポライザーの種類によっては、リキッドを吸うことができる器具がついていることあります。商品選びの際の参考にすると良いでしょう。
ヴェポライザーのメリット・デメリット
ヴェポライザーには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
ヴェポライザーのメリット
コストを抑えられる
喫煙者の場合、紙巻きタバコは1日1箱が平均的な消費量と言われています。紙巻きタバコは現在1箱500円前後なので、1ヶ月で15,000円ほど費用がかかります。
他方、ヴェポライザーは1袋に約500円〜1,000円程度で購入できるシャグ(タバコ葉)、もしくは紙巻きタバコを3当分程度にしたものを使用します。つまり、ヴェポライザーは単純計算でタバコ代の1/3に抑えられます。
少しでもタバコ代への出費を減らしたいという方は、ヴェポライザーをタバコの代替え品として使用することは大幅な節約につながります。
デザインの豊富さ
ペン型やパイプ型、メタリックやコンパクトなものなど、デザインの豊富さもヴェポライザーの魅力です。自分好みのタイプを選択でき、高級感のある形や最新のデザインのものを使用すれば、喫煙する姿も周囲からスタイリッシュに写るでしょう。
また、持ち運びする際は、「スペーサー」と呼ばれるタバコの葉入れを使用するのがおすすめです。自宅で予めタバコの葉を詰めておいたスペーサーを本体のチャンバーにセットするだけで使用できます。そして、このスペーサー自体もバリエーションが充実しており、ビジネスバッグなどから出しても違和感なくスーツに馴染む、フォーマルなデザインのものも多く販売されています。
身体への悪影響を軽減
ヴェポライザーは紙巻きタバコと違い、火を使わないので有害なタールや一酸化炭素が生じにくく、ニコチンやその他の発がん性物質の発生・吸収を軽減できると一般的に言われています。
これは、加熱式タバコそのものが従来のタバコに比べ、有害物質が少ないのが主な理由とされます。喫煙はしたいが健康も考慮したい方には、ヴェポライザーの使用は選択肢の一つになるになるかもしれません。
その他に、ヴェポライザーには以下のようなメリットがあります。
・シャグ(タバコ葉)を入れるだけでセットできる
・操作方法がシンプル
・タバコの風味が感じられる
ヴェポライザーのデメリット
メンテナンスが必要
ヴェポライザーのメンテナンス方法は製品によって多少違いますが、使用後は都度、綿棒などでチャンバー(タバコ葉を入れる部分)を掃除する必要があります。
長く安全に使うためには必須の作業で、それを手間に感じる方は多いでしょう。人によってはシャグを詰める作業自体が煩わしく感じるかもしれません。
また、ヴェポライザーは「シャグを購入して、本体を充電し、シャグを詰めて、加熱をして…」という、実際に吸引するまで一連の作業が必要です。従来の紙巻きタバコの「火をつければすぐに吸える」といった手軽さはないため、喫煙までの過程を面倒に感じる方は少なくないかもしれません。
吸いごたえが微弱
ヴェポライザーはシャグに熱が伝わらないと蒸気が出ない構造のため、吸い始めてすぐには、紙巻きタバコのような強い吸いごたえは感じられません。
時間の経過により実感は出てきますが、タイムラグやムラがあります。火をつければすぐに吸え、タバコ特有の吸引した満足感を求めている方には、ヴェポライザーは刺激が弱く、物足りないと感じる可能性があります。
身体への悪影響の可能性
ヴェポライザーは『身体への悪影響を軽減できる』と前述しましたが、完全に無害ではありません。
加熱式タバコのメーカーの「健康へのリスクの少なさや副流煙が生じない」という意見に対し、産業医科大学の大和浩教授(呼吸器内科)は「ニコチンなどの有害物質は極微量でも健康に影響を与える」と指摘しています。
ヴェポライザーも、身体に接種される量は少ないとはいえニコチンは含まれているため、健康に悪影響が出る可能性は十分考えられます。
その他に、ヴェポライザーには以下のようなデメリットがあります。
・ベイプのように風味がダイレクトに感じられない
・卓上型は持ち運びがしづらい
・本体パーツのカスタマイズがしにくい
ベイプのメリット・デメリット
ベイプには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
ベイプのメリット
コストを抑えられる
ベイプもヴェポライザーと同様に、コストパフォーマンスが良いと言われています。
ベイプに使用されるリキッドの1ヶ月の消費量は平均15ml程度とされ、リキッドの種類にもよりますが、平均的には1月約2,000円〜3,000円程度のコストで抑えられます。
ベイプもヴェポライザーも、最初こそ機種本体の購入が必要になりますが、それでも一部消耗品を除き、紙巻きタバコに比べ、年間を通しての費用はベイプの方が圧倒的に安くなります。
多様なフレーバーを楽しめる
ベイプの最大の特徴は、実に様々な香りや風味を自由に楽しめることです。
ヴェポライザーのような加熱式タバコの場合、基本的にニコチンを摂取する目的で吸われる機会が多いため、選択できるフレーバーの内容はある程度決まっています。しかし、ベイプはタバコのような苦味の強い味だけでなく、スイーツ系・フルーツ系・ドリンク系などといった、リキッドのフレーバーの種類がきわめて豊富に販売されています。
他にも、異なったフレーバーのリキッドを組み合わせて、自分だけのオリジナルフレーバーを作ることも可能です。
リキッドを変えるだけで無限に異なった味を楽しめるのが、ベイプの大きな魅力の一つと言えます。
ニコチンが含まれていない
前述の通り、日本で販売されているベイプのリキッドには、ニコチンは含まれていません。ヴェポライザーとは違いタバコ葉を使用しないので、匂いや歯の黄ばみなどのデメリットはなく、肺がタールで汚れる心配もありません。
また、禁煙や減煙をしたいという人も、ベイプをタバコの代用品として使用しています。例として、ベイプは欧米諸国ではイギリスを中心に、禁煙補助具としても推奨されています。他方、灰や吸い殻を出さないので、環境にも優しい配慮がされています。
ベイプのデメリット
メンテナンスが必要
ベイプもヴェポライザーと同じく、定期的なメンテナンスが求められます。
ベイプにはリキッドの補充やコイルの交換が必要です。メンテナンスをしないければ、味の低下や本体自体の破損につながる可能性があります。メンテナンスが面倒な場合には、カートリッジを交換するだけの、メンテナンスが必要のないタイプも販売されています。
また、ベイプもヴェポライザーも精密機器なので、急な動作不良が発生する場合があります。浸水や落下による故障もあるため、使用や保管にも注意が必要です。
将来的な健康被害の可能性
ベイプに使用されているリキッドは、食品加工にも使用されている、人体に影響がない成分で構成されています。また、タバコに含まれるニコチンやタールなども入っていませんが、有害物質が全く入っていないわけではありません。
ベイプに対する研究がまだ進んでいないため、長期的・継続的に使用し続けた場合、現段階では予測できない形で、微量な有害物質が人体に影響し、被害として現れる可能性はあります。未知な部分も残るため、健康へのリスクがゼロではないと認識した上での使用が求められます。
購入場所が限られる
加熱式タバコであるヴェポライザーは、タバコ店だけでなく、コンビニなどでも販売されており、気軽に買うことができます。しかし、ベイプの場合は、コンビニなどでの取り扱いが非常に少ない状況です。
入手するには、主に、実店舗であればベイプを扱うタバコ店やベイプ専門店、もしくはインターネットで購入が必要になります。また、前述の通り、日本国内ではニコチンを含んだリキッドの販売は禁止されています。
そのため、ニコチン入りのリキッドを希望する場合は、海外から個人輸入することになります。個人輸入はインターネットでも行うことができます。
その他に、ベイプには以下のようなデメリットがあります。
・短期間の使用だけだと割高になってしまう
・液漏れすることがある
・MODの操作が難しい
ヴェポライザー・ベイプともに、メリットもありますが、一方でデメリットもあります。それぞれをしっかり理解した上で、購入の際は自分の目的に合った製品を選択しましょう。
ヴェポライザーの使い方とは
ヴェポライザーは、シャグと呼ばれるタバコ葉を使用します。
シャグはタバコ店やドンキホーテなどの量販店、一部のコンビニ、インターネットなどで購入可能です。
ヴェポライザーの基本的な使い方は、シャグを専用の器具(ヴェポライザー)に詰め込み、加熱した時に発生する蒸気を吸引します。コンダクション方式もコンベンション方式も基本操作は同じです。
CBDを吸引する際のヴェポライザーの使い方は、Airs Airヴェポライザーを使用した以下の動画付き記事をご覧ください。
【動画で説明】CBDワックスの使い方・吸い方・保存方法・メンテナンス方法
ベイプの使い方とは
ベイプは、リキッドと呼ばれる味や香りの付いた液体を使用します。
リキッドはベイプの専門店や、ヴェポライザーと同じく、量販店やインターネットなどで購入できます。
ベイプは基本的に、ベイプ本体のアトマイザータンク部分にリキッドを入れ、それを加熱・霧化して発生した蒸気を吸い、フレーバーを楽しみます。
ヴェポライザーとベイプの違いとは
現在日本で販売されているヴェポライザーは、「iQOS」「Ploom TRCH」「glo」の3種類で、いずれも販売が開始されたのは2014年です。
一方、現在の原型となるベイプが登場したのは2003年で、その後に様々な形態や仕様の製品が開発されてきました。
ヴェポライザーとベイプの違いは、ヴェポライザーは「加熱式タバコの一種で、タバコ葉を加熱してニコチンを摂取できるタバコ製品」、一方、ベイプは「 電子タバコとも呼ばれ、さまざまなフレーバーをニコチン・タールフリーで楽しめる嗜好品」であることが大きなポイントになります。
ただしCBDヴェポライザー、CBDベイプの場合は、下記のような違いがあります。
CBDヴェポライザー:CBDクランブルやジェル・クリスタルを吸引する際に使われる
CBDベイプ:CBDリキッド(液体)を吸引する際に使われる
是非興味がある方は、自分の趣向に合う商品を探してみてはいかがでしょうか。
【参照URL】
https://medical.jiji.com/topics/551
https://dr-stick.shop/tips/heated-tobacco/whats_vaporizer/
https://www.pipecollectionjp.com/vaporizerdiff.html
https://www.vapestudio.jp/column/heat-not-burn/vape_055/
https://vapin-on.com/difference-between-vape-and-vaporizer
https://recreation.pintoru.com/vape/structure-of-vape/
https://www.vapestudio.jp/column/information/vape_064/
http://vapecrew-nishio.com/about-vape/
https://tropicalvape.shop/column/knowledge/vol10030/
https://www.beyondvape.jp/cts/news/merit/
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000204548.pdf
https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/variety/electronic_cigarette/index.html