CBDが雑誌で取り上げられはじめ、調べていくうちに「ヘンプオイル」という言葉にたどり着いた方も多いと思います。
ヘンプオイルはCBDオイル同様、麻から作られるオイルです。
今回は、そのヘンプオイルとCBDオイルの違いについて紹介します。
【目次】
- CBDオイルとヘンプオイルとは?
- CBDオイルとヘンプオイルの違いとは?
- CBDオイルとヘンプオイルの違い(製造方法)
- CBDオイルとヘンプオイルの違い(成分)
- CBDオイルとヘンプオイルの違い(効果)
- CBDオイルとヘンプオイルは非なるもの
CBDオイルとヘンプオイルとは?
ご存知の方も多いかと思いますが、産業用に作られた麻は、英語で「Hemp(ヘンプ)」と呼ばれています。
麻(ヘンプ)は様々な用途として使われ、5万年前(旧石器時代)には、すでに繊維として利用されていました。現在も、繊維や衣類、紙やバイオ燃料、健康食品など、様々な商品に加工されています。
CBDも同様に、この「ヘンプ」から抽出される成分です。
参考:CBDとは何か?
つまり、CBDオイルもヘンプオイルも麻から作られたオイル、ということです。
では、CBDオイルとヘンプオイルの違いを詳しく見ていきましょう。
CBDオイルとヘンプオイルの違いとは?
CBDオイルとヘンプオイルの違いを一言でいうと、
「麻の種や茎から抽出された成分を油で濃度調整したものが、CBDオイル」
「麻の種から抽出された油が、ヘンプオイル」です。
つまり、例えるならば、CBDオイルは、ゴマから抽出されるセサミンという成分を何かの油で濃度調整したもの、ヘンプオイルはごま油のようなもの、というように言うことができます。
では、ヘンプオイルとCBDオイルには具体的にどんな違いがあるのか、
その「製造方法」「成分」「効果」の3つの視点から比べていきます。
CBDオイルとヘンプオイルの違い – 製造方法
CBDオイルとヘンプオイルには、いくつかの製造方法がありますが、ここでは代表的な製造方法について紹介します。
CBDオイルの製造方法
CBDオイルは一般的に、アイソレート製法、または、フルスペクトラム製法によって製造されています。
アイソレート製法は、麻から抽出されたエキスをろ過・精製し作ったCBDの結晶から製品を作る方法で、フルスペクトラム製法は、麻から抽出されたエキスにろ過を加えず、自然の状態に近い成分を残し製品を作る方法です。
これらの製造方法によって抽出されたCBDに、ヘンプオイルや、オリーブオイル、ココナッツオイルなどを混ぜて、CBDの濃度を調整し作られるのが、CBDオイルです。
ヘンプオイルの製造方法
一方で、ヘンプオイルは、一般的に、低温圧搾法(コールドプレス)という方法で製造されています。
これは、ヘンプオイルの元となる種を破砕し、摂氏40度以下の低温でオイルを抽出する方法です。
この製造方法で抽出された油が、そのままヘンプオイルとなります。
一般的に、ヘンプオイルにはCBDの成分が含まれていません。
CBDオイルとヘンプオイルの違い – 成分
CBDオイルとヘンプオイルは、その製造方法そして成分抽出部位の違いから、成分にも大きな違いがあります。
CBDオイルの成分
製造方法でも紹介した通り、CBDオイルは抽出したCBDをオイルで濃度調整したものです。
このことから、CBDオイルの主成分は「CBD」、濃度調整をするために使われる、オリーブオイルやココナッツオイルの成分も、CBDと共にオイルに含まれています。
オリーブオイルは、必須脂肪酸のオメガ9が多く含まれており、ココナッツオイルには、必須脂肪酸オメガ3が豊富に含まれています。
必須脂肪酸は、体内で他の脂肪酸から合成できないため、食べ物から摂取する必要がある脂肪酸です。
基本的に、日本で売られているCBDオイルには、THC成分が入っていません。ただし、海外で売られているCBDオイルにはTHC成分が入っている場合もあるので、海外で購入したCBDオイルを日本に持ち帰る際は、成分に注意を払う必要があります。
関連記事:CBDは日本で合法なのか?
ヘンプオイルの成分
麻の種の破砕し、抽出されたヘンプオイルには、主成分として、必須脂肪酸のリノール酸(オメガ6)、リノレン酸(オメガ3)やパルミチン酸が含まれています。
オメガ6やオメガ3は、皆さんが一度は聞いたことのある成分ではないでしょうか。
それ以外にも、ヘンプオイルには、マグネシウム等のミネラルやビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれています。
ヘンプオイルにCBDの成分は入っていません。また、麻の種には本来THCの成分は含まれていないため、ヘンプオイルに陶酔作用はないと考えて問題ありません。
いずれにせよ、CBDオイル同様海外と日本では大麻に関する商品の法規が異なるため、海外で購入し日本に持ち込む際は、日本では違法となる成分が入っていないか確認する必要があります。
CBDオイルとヘンプオイルの違い – 効果
CBDオイルとヘンプオイルでは主成分が違うこともあり、摂取することによる効果も違います。
CBDオイルの効果
CBDは、神経保護などの効果があると言われており、不眠・不安・緊張・痛みなどといった症状を緩和してくれる、といわれています。
WHO(世界保健機関)でも、不眠や不安に加え、てんかん、片頭痛、筋緊張、不穏状態、疲労、精神疾患、アルツハイマー病等、様々な症状に効果が期待される、との報告がされています。
様々な症状に効果が期待されることから、CBDは日本でも様々な医療機関(https://cbd-info.jp/clinics/)によって利用されており、その機関は心療内科、歯医者、皮膚科、外科・内科等、多岐に渡ります。
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このCBDの成分に加えて、濃度調整に使われているオイルの効果も期待できるため、オリーブオイルやココナッツオイルに含まれる、必須脂肪酸のオメガ9やオメガ3の効果が期待されます。
必須脂肪酸は体内で合成ができない成分です。
必須脂肪酸が不足すると、皮膚の乾燥や脱毛、免疫不全、血小板減少等が引き起こされると言われています。
つまり、CBDオイル(CBDと必須脂肪酸を含んだオイル)をとることで、不眠・不安・緊張・痛みなどといった症状を緩和するだけではなく、美肌効果や血中コレステロール値減少、が期待できると言えます。
ヘンプオイルの効果
ヘンプオイル成分の80%を占めているのが、必須脂肪酸のリノール酸(オメガ6)、リノレン酸(オメガ3)です。
この主成分に加え、ミネラル(鉄分・マグネシウム・亜鉛等)やビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれています。
そんなヘンプオイルの効果は、大きく分けて3つあります。
- アレルギー症状やアトピーなどの皮膚炎症状の改善
- 生活習慣病の予防
- 美肌効果
ヘンプオイルの最大の特徴は、バランスがとれたリノール酸(オメガ6)とリノレン酸(オメガ3)の割合です。両者は体内で一方が増えすぎると、他方の作用が抑えられてしまう、という特徴があります。
この2つの成分バランスが保たれていることで、アレルギー症状を和らげるだけではなく、免疫力の強化や血糖値、高血圧等、生活習慣病のリスクを抑えることができます。
また、ヘンプオイルは、肌細胞の再生を助ける必須脂肪酸と、皮膚細胞の再生を促すビタミンAや、肌の老化防止につながるビタミンCやEが豊富です。この豊富な必須脂肪酸と様々なビタミンが、美肌効果をもたらしてくれる大きな理由です。
必須脂肪酸とビタミンが豊富に含まれているヘンプオイルは、チアシードやアマランサスと同様、スーパーフードと呼ばれる所以となっています。
CBDオイルとヘンプオイルは異なるもの
CBDオイルとヘンプオイルは、両者とも麻から作られるオイルです。
その大きな違いは、
CBDオイルは、麻の種や茎から抽出された成分を油で濃度調整したもので、ヘンプオイルは、麻の種から抽出された油、
ということにあります。
そして、製造方法が違うと成分が異なり、成分が異なるとその効果も異なります。
CBDオイルは、不眠・不安・てんかん・精神疾患等様々な症状に効果が期待できる、ということが、すでにWHOや様々な研究機関によって発表されています。
一方で、ヘンプオイルは、皮膚炎の改善、生活習慣病予防や美肌効果があるといわれています。
製造方法・成分・効果が異なる、CBDオイルとヘンプオイルの違いを理解して、自分に適した商品を見つけましょう。
参照:
https://fas.org/sgp/crs/misc/R44742.pdf
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/lite.201500050